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初心者でも解かる「オーガニック」入門 「ビオディナミ」との違いは?

オーガニック

  オーガニックって何?どんなもの? ビオってよく聞くけど・・・???     ワインに関わってくると、「オーガニックワイン」「ナチュラルワイン」とか「ビオワイン」という文言を目にするようになります。   全て有機農法のワインのことを指します。   昨晩も飲みました❗️   世界のトレンドなのでその出現頻度が増える傾向にあります。 とても混同して使われていますので、整理してみます。 大きな括りで上記ワインはすべて「有機食品」に包括されます。 そのトレンドをまず見てみます。   【オーガニック市場の伸び(米国)】                 OTA「オーガニック市場の推移   市場の伸びですが、オーガニックトレード協会(OTA)によると、アメリカ国内のオーガニック市場が2016年に、前年対比8.5%も伸び、470億ドルに達したことを発表しています。   食品市場に占めるオーガニック食品の割合が2016年に、5.3%となっています。    さて、話をワインへと移していきましょう。今や全世界の5~6%がオーガニック(有機栽培)ワインになっています。世界的なオーガニック化の流れの中で、様々な呼び名が出てきます。   オーガニックワイン、ナチュラルワイン、ビオワイン、ビオディナミワイン、バイオダイナミックワインなどです。   それらは、国によって解釈が違ったり呼び名が変わったりするので、取り違えられたり、複雑なものとなりつつあります。図式にします。   有機ワインピラミッド   ビオディナミをピラミッドの頂点として、段々製造数が多くなり、一番多いのがオーガニックの図です。この図すべてが有機ワインであり、これ以外が一般ワインとなります。   したがいまして、   ビオディナミ=ビオ=バイオダイナミック<ビオロジック<リュット・レゾネ≦ナチュラル(自然派)≦オーガニック   このようなイメージとなります。   オーガニックワインとは(ORGANIC WINE)         オーガニックワインは、原則として、化学肥料、農薬、除草剤を使わないまま3年以上経った畑で、遺伝子操作や放射線処理が禁止された有機農法によって生産され、公的機関の承認を得たブドウを用いて造られます。   3年未満のものは、オーガニック転換中(in conversion)と呼ばれます。     ★欧州では、オーガニックワイン=ビオロジック製法のワイン、ビオワイン(バイオダイナミックワイン)=ビオディナミ製法のワイン、としています。   ナチュラル(自然派)ワインとは (仏:Vin Naturel、英:Natural Wine)   一般的に、 「限りなく自然に造った(人為的操作をしていない)ワイン、化学肥料や化学薬品を使っていないワイン」 が自然派ワインと呼ばれています。   しかしながら、化学肥料や化学薬品の不使用・無添加がナチュラルワインの目的ではありません。   ブドウの栽培が有機であること(ビオロジックやビオディナミ農法)、自然酵母での発酵、二酸化硫黄(酸化防止やバクテリアの活動の抑制が主な働き)を極力使わない、補糖・補酸をしない等々、それらは単に目的のための手段にすぎません。   なんのための手段かといえば、それは 農作物としてのワイン、ブドウ本来の美味しさが感じられる味わい豊かなワインを造る、テロワール(風土)や生産者の人となりが感じられるような、個性あふれるワインを造る、 そういった目的のための手段です。       ワインが大量生産される現場では、    作業効率や収益のために畑で大量の化学肥料が使われる  土を踏み固めてしまう大型機械が導入されている  醸造所では狙い通りの香りや味わいのワインを造り出すため、発酵のコントロールがしやすい培養酵母を投入  ブドウの出来がすぐれなくても補糖や補酸でカバーする  品質安定のためにしっかりろ過をし、フィルターをかける   このようなことが行われています。 こうして出来たワインは低価格で安心安全なものですが、代わりにワインの大きな楽しみである多様性、オリジナリティー、ヴィンテージのキャラクターなどは失われてしまいます。   自然派といわれる小さなドメーヌや農家では、自分や家族で世話ができるくらいの規模の畑で、土作りからブドウ栽培まで行っています。手塩にかけたブドウはとてもキレイで美味しいモノです。   リュット・レゾネとは? (仏:Vin lutte raisonnée)     リュット・レゾネ農法(減農薬有機農法) 地球環境を保全しつつ持続が可能な産業や開発などについて土壌の状況を判断して、必要な時だけに化学肥料や農薬などを使用する事から減農薬農法、または対処農法とも呼ばれています。   ビオロジックワインとは? (仏:Vin biologique)   ビオロジック農法(無農薬有機農法) 化学肥料や除草剤、殺虫剤を使用せず、自然を尊重したオーガニック(有機的な)農法のことです。   病害虫の予防のため、硫黄や銅など(ボルドー液)の使用が認められています。   ビオディナミワインとは? (仏:Vin biodynamique)       ビオディナミ農法(無農薬有機+α農法:生力学農法)     オーストリアの哲学者、ルドルフ・シュタイナーの思想をもとに体系化された農法のことで、ビオロジック農法同様、化学的なものは一切使用せず、生物の潜在的な力を引出し、土壌に活力を与え、作物を育てる農法です。   さらに、宇宙エネルギーや地球の磁力を利用するため、月の運行に合わせて作業を行ったり、プレパラシオンと呼ばれる動植物、鉱物由来の特別な調剤を用いたりします。   ※ヨーロッパなどではエコセールやデメテールといった有機農産物の認証機関も多数あります。   ただし、厳しい基準をクリアした生産者 だけに与えられるため、一つの目安にはなりますが、あえて取得しない生産者も少なくありません。   プレパラシオン 主な調合剤(プレパラシオン)をあげてみます。   【雌牛の糞】雌牛の角に糞を詰めて土の中に埋めて作り、雨水で希釈して散布します(目的:根の強化)     【水晶の粉】砕いて雌の牛角に詰めて6カ月土中に埋めて希釈して散布します(目的:葉に光を集める)   【西洋ノコギリソウの花】アカシカの膀胱に詰めて一冬寝かして、夏に撒きます(目的:硫黄の供給)   【タンポポの花】牛の腹膜に詰めて一冬越したもの(目的:珪酸の供給)   エコセール 1991年に創立されたフランス農務省認証期間であるエコセール(ECOCERT)が、有機栽培食品とバイオデナミー(ビオデナミ)栽培に関して検査・認証をおこなっています。認知度が高く、事実上の世界標準となっています。   デメテール   デメテールまたはデメターと呼ばれます。ルドルフ・シュタイナーの提唱するビオディナミの実践を推進している団体Demeter Internationalによるもので、栽培だけでなく醸造方法にも細かな規定があり、唯一醸造段階でもその方法が問われる認証となっています。   日本におけるビオディナミの定義   biodyamics(仏:ビオディナミ、ビオ 英:バイオダイナミック)「ビオディナミ」=「ビオ」です。   日本ではビオワインの定義が曖昧なため、有機栽培されたブドウから造られたワインのことをビオワインと呼ぶことがあります。     「ビオ」と名乗るのは生産者の自由となっています。 したがって、本来のビオワインを見極めるには、生産者を知ることが要求されます。   難しい場合は、ショップで聞いたり、上記「エコセール」や「デメテール」の認証を裏ラベルで確認するのがよろしいかと思います。   ビオワインに傾注しているショップ 《銀座カーヴドフジキ》 http://www.ginzafujiki-wine.com/SHOP/22984/104644/list.html 《エノテカ》 https://www.enoteca.co.jp/item/list?_label=BI   そして、有機農法を採用していても醸造過程で何らかの添加が行われたり、調整が加えられるものはオーガニックワインとなる訳です。   有機ワインへの良くある質問 ワインが濁ってたりオリが溜まっていたりするけど大丈夫なの 品質に問題はありません。細かい澱を飲んでしまっても害はありません。 造り手によって、ぶどう本来の成分を残すため澱引き(ろ過)をしないワインもあります。 こうしたワインは、旨みが凝縮されています。   害はありません。気になる方はワインのボトルを数日立てておき、澱を瓶底に沈めてから飲んでください。あえてにごりワインとして楽しむタイプのワインもあります。   二日酔いしない? 一部には二日酔いの頭痛の原因はワインに含まれている酸化防止剤という説もありますが、立証はされていません。   しかし、有機ワインを飲んだ次の日に頭が痛くないとか、だるくないという話はよく聞きます。   →二日酔い防止、肝臓にはウコンの粉末がいいんです!   酸化防止剤は無添加ですか? 酸化防止剤をまったく使用していないワインでも、醸造中に二酸化硫黄がごく微量自然発生することがあるため、食品衛生法で「酸化防止剤含有」の表記が義務づけられています。   また、自然派の造り手でも、品質を維持するために酸化防止剤を使用することもありますが、わずかな量しか使っていない造り手がほとんどです。   オーガニック・ナチュラル・ビオワインの保存方法は?   14℃以下の涼しくて、直射日光が当たらない場所で保管してください。   瓶詰めした後も酵母が生きているため、温度が高いところや振動が多いところに置くと、二次醗酵が始まり、味わいが変化したり、ワインが噴いてしまうことがあります。   キャップシールが無い! キャップシールをはじめから使用しない生産者が増えています。   「不自然なものは一切使いたくない!」という理由や、デザイン性を重視してなど、様々な理由があるようです。 ビオディナミワインって美味しいの?   「自然の力を引き出す」と言っても実際ビオディナミを実践することによってどんな効果があるのでしょうか?   飲み口の柔らかい ボルドーのグラン・ヴァンのようにタンニンがしっかりとある場合でもスムースで、旨みやフルーツの風味が舌に滲み込んでくるような感覚があります。   風味が純粋です   果実味でも完熟感というよりは、もぎたての果物を思わせる瑞々しさが前面に現れてきます。 同時に香りも、単純に食物に例えられる香りが多く、例えば、インク、なめし皮、湿った下草など、ワインの表現としてはよく用いられる食べ物以外の香りの要素が少ないのも興味深いところです。   余韻の香りが抜群   鼻でかぐ香りとは反対に、飲み下した後の余韻には、香水や花のような芳香が溢れるワインが多くあります。   ワインの香り成分は様々な要素から形成されますが、ひとつ大きな要素は酵母だと言われています。   ビオディナミでは必ず野生酵母が用いられるため、その複雑な菌層が複雑な香りを生み出しているのではないかと言われています。   これまでにもビオディナミワインを「飲んでみたけど美味しくなかった」という方、実は多いかもしれません。   ビオディナミは、数十年掛けてワイン造りを土台から変えていくため、すぐに変化は現れず、ただその手順をまねするだけでは美味しいワインは完成しないということが生産者の間でもだんだん分かってきました。   しかしここ10年ほどで完全導入を果たした生産者は飛躍的に増え、発展途上だったビオディナミの品質がぐんぐん伸びています。   初心者でも解かる「オーガニック」入門 「ビオディナミ」との違いは?  まとめです ピラミッド図 を見ていただきました通り、上に行くほど認定取得が厳しい造りとなります。ただし、これらは すべて有機農法で造られる「有機ワイン」です。 そして、欧州と日本でのとらえ方が違っていたり、曖昧な部分を多く残しており課題となっています。また、認証は任意であり、認証を取る取らないは生産者に委ねられています。したがって有機農法を実践していても認証されていない生産者も多数存在します。また、認証の取得には非常にコストがかかりますので、販売価格へ転嫁されやすいというデメリットもあります。 認証される前からこういった農法をしている高級グランヴァンワイナリーもたくさん存在します。例えばロマネコンティやシャトーラツールなどがそうです。 したがいまして、 ビオワインだから美味しいとか、オーガニックだから良いとか、一般ワインと安易に差別化出来ません。まだまだ過渡期な農法ですのでこれからの生産者の動きに注目していくべきワインです。 そして、時代は確実に有機農法~オーガニック~ビオディナミ農法へと進んでいる事だけは確かなのです。 関税撤廃によりワインはいくら下がるの?日欧EPAとは? 続きを読む