ドイツワインの特徴、4つの格付け、6つの等級とオススメ6選

 
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今回も仕事と趣味でたしなむワイン、 😯 
 
今回はドイツです。
 

 

目次

ドイツワインの特徴

ドイツワインの最大の特徴は、「格付け」がぶどう果汁の糖度によってなされることです。→後述します「ドイツワインの特徴:ドイツ独自のワイン法」。

 

ドイツの白ワインは他国の白ワインとは大きく異なり、活き活きとして、フルーティで、ミネラリティ豊かな味わいを持っている点です。

 

 

それと、白ワインの甘口系の比率が高い事でしょう。

 

ブドウ品種には主に伝統的な甘口リースリング種を使っています。

 

 

ただし、近年では、赤ワイン用品種の作付面積が急速に広くなっており、ワインの特徴も多様化しています。

 

これらの個性は、特別な気候と土壌から生み出されるものです。

 

ドイツのワイン生産地は、ザクセン地方とザーレ・ウンストルート地方を除いて、国土の南部と南西部に集中しています。

ドイツワインの特徴:ブドウ生産地が「北限」にある

 

世界的には、最北の生産地に属し、西の温暖湿潤なメキシコ湾海流気候と、東の乾燥した大陸性気候との境界に位置します。

 

生育期間が長く、11月になって初めて収穫が行われる畑もあります。

 

 

 

夏はさほど暑くないため、ワインは繊細で、アルコール度数は南の生産国のワインほど高くありません。

 

 

また、土壌や品種にバラエティがあり、ドイツワインは決して画一的ではありません。というのも、ワイン生産においてドイツはブドウが成熟する「北限」なんです。

 

厳しい気候条件の中で、地球温暖化の影響もあり、辛口ワインが作りやすい環境になったことが、甘口に加えて、赤ワイン用品種の作付面積が急速に広くなった要因とも言われています。

 

 

主要生産地のワインについては後述します。→主要ワイン産地とオススメワイン

ドイツワインの特徴:主なブドウ品種はリースリング種

白ワイン品種

 

リースリングはラインガウ地方、モーゼル地方、ミッテルライン地方、ヘッシッシェ・ベルクシュトラーセ地方で、最も多く栽培されている最重要品種です。

 

また、ミュラー・トゥルガウはバーデン地方、フランケン地方、そしてラインヘッセン地方やザーレ・ウンストルート地方、ザクセン地方でも栽培さている重要品種です。

 

 

赤ワイン品種

シュペート・ブルグンダー(ピノ・ノワール)をはじめ、ブルグンダー(ピノ)品種はバーデン地方で幅広く栽培しています。また、ヴュルテンベルグ地方ではトロリンガーや、シュヴァルツリースリング(ミュラーレーベ)、レンベルガー、ファルツ地方ではポルトギーザーが栽培されています。

 

ドイツワインの特徴:ドイツのワイン法

ドイツワインを語るにはその独自なワイン法を覚えなければなりません、特徴の大きなファクターは、ドイツ独自の「ワイン法」です。

ドイツワインの格付はテーブルワイン、地酒、上質ワイン、最上級ワインの4段階に分類され、最上級ワインのQmPは、ブドウの熟した度合いによって6等級に分類されます。

これにつきましては、次項にに詳しくご説明しましょう。

 

 

ワイン法と格付け

 

ドイツワイン法の前に母体であるヨーロッパ連合(EU)のワイン法を知る必要があります。

 

 

ヨーロッパ連合(EU)のワイン法→EUワイン法

そのEUに加盟している各国それぞれの→国ごとのワイン法→ドイツのワイン法

という順に見ていきましょう。

 

EUワイン法

 

ヨーロッパ連合(EU)には「EUワイン法」があります。これによってワインは以下のように分類されています。EUワイン法における格付け

 

【地域指定優良ワイン】VQPRD(格付ワイン)

「地域指定優良ワイン VQPRD(Vin de Qualities Produits dans des Regions Determinees、ヴァン・ド・カリテ・プロデュイ・ダン・デ・レジオン・デテルミネ)」、ひと言で言うと「格付ワイン」とでも覚えておいてもいいでしょう。

【ヴァン・ド・ターブル】Vin de Table(テーブルワイン)

「Vin de Table( ヴァン・ド・ターブル)」、平たく言うと「テーブルワイン」です。

EU加盟国各国の「ワイン法」

そのEUワイン法に則って、EU加盟国各国それそれにも「ワイン法」があります。

その中でも、フランス・イタリア・ドイツなど主要国においては、VQPRDとVin de Tableをそれぞれ2つに分けています。

例えばフランスで言えば「AOC」、イタリアで言えば「DOC」とかですが、

ここではドイツだけ見てみましょう。EUワイン法との対比で見てみます。

ドイツの「ワイン法」

 

EUの「VQPRD(地域指定優良ワイン)」が、ドイツでは次の二つに分類されます。「QMP」と「QBA」です。

①肩書付上質ワイン(QmP)

②特定産地上質ワイン(QbA)

EUの「Vin de Table(テーブルワイン)」 が、ドイツでは次の二つに分類されます。「Landwein」と「Deutscher Tafelwein」の2つです。

 

①ラントヴァイン(Landwein、生産地域の特徴を強調したもの)

②ドイチャー・ターフェルヴァイン(Deutscher Tafelwein)

 

上記のように「ドイツワイン法」では、地域指定優良ワインを、肩書付上質ワイン(QmP)と特定産地上質ワイン(QbA)とに分けています。

 

 

またテーブルワインも、ラントヴァイン(Landwein、生産地域の特徴を強調したもの)とドイチャー・ターフェルヴァイン(Deutscher Tafelwein)の2つに分類します。

 

 

それでは詳細を見ていきます。

まずはQbAです。

特定産地上質ワイン QbA(クーベーアー)・肩書付上質ワイン QmP(クーエムペー)

特定産地上質ワインQbA(上質ワイン)

特定産地上質ワインQbA(クーベーアー、Qualitätswein eines bestimmten Anbaugebietes、クヴァリテーツヴァイン・アイネス・ベシュティムテン・アンバウゲビーテス)と、

肩書付上質ワイン QmP(クーエムペー、Qualitätswein mit Prädikat、クヴァリテーツヴァイン・ミット・プレディカート)が、ドイツの地域指定優良ワインです。

 

QbA・QmPは、別の生産地帯(Anbaugebiet)のワインをブレンドすることが許されていません。ドイツには全部で13の生産地帯が決められています(うち旧東ドイツ地域は2つ)。

またその等級は公的検査(Amtliche Prüfung)に合格して決まります。

 

 

法的な推奨品種・規定品種の葡萄から作られており、生産地帯・品種により規定された最低モスト量を上回る原料葡萄であること、などが検査事項です。

 

 

 

「モスト」とは未発酵葡萄搾汁のことで、モスト量(Mostgewicht)とはモストの糖度のことです。

ちょっと難しいかも知れませんが、モスト量はモススと水の比重を比重計(Oechsle-Waage)で図ります。その単位はエクスレoechsle度であらわされます。

 

 

たとえば90エクスレ度ならば、比重1.090、すなわち1リットルのモストで90グラムだけ水より重いのです。

エクスレ度は、この糖分を全部発酵させたと仮定した場合のアルコール度(潜在的アルコール度)とも相関します。

 

このモストに、QbA以下のワインではさらに補糖することが許されています。しかしこれは甘くするためではなく、アルコール度を高めるためにのみ認められています。

 

なお、QmPではこの補糖は全く許されていません。

 

 

そして、モストからはワインだけでなく、保存甘味液(ズースレゼルヴ、Süssreserve)も作られます。

これはワインをボトリングする直前に、必要な甘味を得るために加えられるものです。QmPではこれも許されていません。

 

 

 

次に、特に厳しい規定条件で造られるQmPを見てみましょう。

肩書付上質ワイン QmP(最上級上質ワイン)

発酵前に補糖の必要がないほど十分な天然糖分を有する葡萄から醸造されます。

そのモスト量によりカビネット、シュペトレーゼ、アウスレーゼ、ベーレンアウスレーゼ、アイスヴァイン、トロッケンベーレンアウスレーゼの6等級があります。

モストの発酵を途中で強制的に止めることで甘さを出しています。

産地の限定については、原料葡萄が全て同一のベライヒ(Bereich、生産地帯をさらにいくつかに分けた単位)内で収穫され、なおかつ、そのベライヒが属する生産地帯内で処理されたものでなければならない、と定められています。

さらにQmPは葡萄の成熟度(=糖度)によって6段階に分類されます。カビネットについては、品種・アルコール度、視覚・臭覚・味覚の条件はQbAと同一ですが、シュペトレーゼ以上のものは、さらにそれぞれ最低糖度の他にも諸条件が定められています。

 

カビネットKabinett

塾したブドウから造られて、辛口が多いため、食事中にぴったりのワインです。最も低糖度になります。

通常よりも遅く収穫し、甘口~辛口までありますが、味わいはマイルドさを感じることができます。

最低モスト量67エクスレ(=潜在アルコール度8.6)。最低アルコール度7%。
ラインガウのエーバーバッハ修道院醸造所において、1811年に最良年を迎えた際、Steinberger Auslese Cabinetとして出荷されたことがKabinettの語源です。

 

シュペトレーゼSpätlese

最低モスト量76エクスレ(=潜在アルコール度10.0)。最低アルコール度7%。
「遅摘み」の意。その品種の収穫解禁後7日以上遅らせ、十分に熟した状態で摘み取らなければなりません。(ただし必ずしも「甘口」ではありません)

1775年、シュロス・ヨハニスベルク城に対して、フルダの大修道院長兼領主からの葡萄の収穫許可を伝える伝令の到着が遅れました。そのため偶然に「遅摘み」となった葡萄から作ったワインが美味であったことがシュペトレーゼの起源です。

 

アウスレーゼAuslese

ベーレンアウスレーゼよりも熟度は低いですが、十分に熟したブドウで、半甘口~甘口を感じられます。

最低モスト量83エクスレ(=潜在アルコール度11.1)。最低アルコール度7%。
よく熟した葡萄の「房」を選択的に摘み取ることで作られる甘口ワインのことです。(こちらは逆に必ずしも「遅摘み」である必要はありません)

 

ベーレンアウスレーゼBeerenauslese

熟し切った果実を1粒ずつ収穫し、芳醇なコクがあります。

最低モスト量110エクスレ(=潜在アルコール度15.3)。最低アルコール度5.5%。
Beeren=粒のこと。すなわち「粒選り」の意。原料となる葡萄果粒はできる限り貴腐菌のついたものを一粒一粒選択収穫したものであり、したがって極甘口になります。

 

トロッケンベーレンアウスレーゼTrockenbeerenauslese

ドイツ最高級ワインの甘さ等級が、トロッケンベーレンアウスレーゼで、世界三大貴腐ワインのひとつで、あと2つは、フランスのソーテルヌと、ハンガリーのトカイワインです。

最低モスト量150エクスレ(=潜在アルコール度21.5)。最低アルコール度5.5%。
「乾粒選果」。貴腐菌(ボトリティス・シネレアBotrytis cinerea菌、ドイツ語名Ede;fäule)が強く付着し、それにより果皮のワックスを溶かされたため、水分がかなり蒸発して干からびた粒を選択して原料とします。このモストは容易に発酵しないため、残留糖度も高くなり「超極甘」でかつ香りの強いワインとなります。

 

アイスヴァインEiswein

ブドウの実が凍った状態で収穫するため、アイスの名が付いています。純度の高い酸味と甘みが特徴です。

最低モスト量110エクスレ(=潜在アルコール度15.3)。最低アルコール度5.5%。
「氷結摘み」。収穫および搾汁時のぶどうは完全に凍結していなくてはなりません。自然氷結を待つのですから、超遅摘みで完熟した葡萄から作られます。

また搾汁時も凍結しているため、果粒内の水分は氷の結晶として圧搾機に残されるので、モスト内の糖・酸は濃縮された状態になります。

極甘口になりますが、トロッケンベーレンアウスレーゼのような貴腐の香りはありません。カナダとドイツでしかできません。

 

 

以上のように、「格付け」がぶどう果汁の糖度によってなされることが、ドイツ・ワインの特徴です。

この糖度の高いモストを使用して、発酵を途中で止めることにより糖分を残して甘口の高級ワインが生産されます。

 

しかし、この高い糖分を十分発酵させればアルコール度が高い辛口ワインになります(昔のワインは辛口しかありませんでした)。

 

その場合、肩書は「Auslese Trocken アウスレーゼ・トロッケン」とか「Spätlese Halbtrocken シュペトレーゼ・ハルプトロッケン」などと表記しています。この場合はQmP扱いとなります(QbAクラスの場合はワイン名の後ろにすぐTrocken、Halbtrckenと表示)

ここで「trocken」という単語の解釈が難しいかも知れません。この単語は「干からびた、乾燥した」という意味で、英語ではdryにあたります。

 

トロッケンベーレンアウスレーゼの場合には、干からびた(trocken)果粒(beeren)を使用した甘口ワインということになります。

 

それに対して、ワインがtrockenである、というのはビールでいう所のドライと同じで、干からびた→味気ない→甘くない=辛口という意味になるわけです(Halbtrockenは中辛口)。

 

主要ワイン産地とオススメワイン

1、ラインガウ(RHENINGAU)

小さな地帯ですが、ドイツでも屈指のリースリングの産地です。

2、ラインヘッセン(RHEINHESSEN)

格付けはQbA(最上級の次の上質)で軽い甘口のものが多くドイツでは最もポピュラーなワインである「リープフラウミルヒ」る大量生産する産地です。

可愛いネコちゃんのボトルや、ポピュラーな軽い甘口からドイツの貴腐ワイン「ベーレンアウスレーゼ」まで多種多用なワインが多く産出されています。

3、モーゼル(MOSEL)

デボンシーファーと呼ばれるストレートの土壌の急斜面から、世界で最も洗練されたリースリングワインが生産されます。

シュワルツカッツ(黒猫)が有名です。

4、フランケン(FRANKEN)

フランケンワインは、ボックスボイテルという横に丸みを帯びたウイスキー瓶のようなボトルが特徴です。ドイツ白ワインを特長付ける代表品種の一つである「シルヴァーナー」というブドウの辛口の白が有名です。

5、バーデン(BADEN)

 

ドイツ最南端の産地で、フランスのアルザス地方と川を隔てて、隣にあります。ピノ・ノワールなどフランスの品種の栽培が盛んです。

 

6、ファルツ(PFALZ)

リースリングが盛んなだけでなく、赤ワインが発展途上で伸びてきていて、シラーやサンジヴェーゼのブドウなど、ワインが多様化してきている土地になります。

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