ハンガリー・トカイワインの特徴、世界三大貴腐ワインとは?

 

国内外、住み歩き飲み食べ歩いたワイン業界30有余年、日本ソムリエ協会公認のワインアドバイザーが、

世界のワイン情報を発信しています。

 

今回はハンガリーを代表する「トカイワイン」です。

 

「ハンガリー」や「トカイワイン」、といってもあまり身近でないため、ピンとこない方がほとんどでしょう。

ハンガリーだったら、国の名前なので、

ハンガリー観光、ドナウ川、ブダペストの国会議事堂・・・・、

 

ドナウ川にかかる橋・・綺麗!

ブダペストの国会議事堂・・綺麗!!

などが有名ですが、観光地以外でハンガリーに何があるかを語れる方がとても少ないのが実情ではないでしょうか?

 

実はハンガリーは歴史的、地理的、気候風土的に、様々なお酒文化がある稀代な国なんです。それはハンガリーの国旗からも垣間見れるんです。

 

 

ハンガリーのお酒文化について語れるようになったら、楽しいですし、旅の楽しみが倍増しますよ!!

 

ハンガリーの酒文化

赤と白と緑

ハンガリーの国旗です

ハンガリーの国旗の赤と白と緑。赤は尊い血の犠牲を、白は清らかな国民の心を、緑は希望を象徴します。

 

そしてハンガリーのリカー(お酒)を語る言葉にも、「赤と白と緑」があります。それは、3つの酒飲み文化のことです。その3つのお酒とは、

 

 

ドイツ=チェコ=英国のビールの伝統・・・赤

イタリアのワイン文化・・・白

ロシアのウオッカ狂い・・・緑

 

 

この3つのお酒の「るつぼ」であり、ハンガ リー人はいつ何時でも、お酒を飲んでいると揶揄されているのです。

 

そして、この3つのお酒のうち、ワイン文化が一番なのです。

歴史が違います。それでは、そのハンガリーのワインについて詳しく見てみましょう。

 

 

ハンガリーのワイン

ハンガリーワインの歴史

ハンガリーのワインの歴史は古く、紀元前からぶどうの栽培が行われ、ローマ人によって本格的なブドウ栽培の技術がもたらされています。東ヨーロッパ圏では最もぶどう栽培の歴史が古い国であり、千年以上に渡って屈指のワイン生産国として評価されてきました。

 

ハンガリーの気候と土壌

 

ハンガリーは、日本同様、夏の気温が35度を超え、冬の気温が0度近くまで冷える、一年を通した寒暖差が激しい気候です。降水量が年間650mmと低く、ワイン生産に適した気候となっています。

土壌は、平原部では砂礫土壌であるが、トカイなどの山に近い地域では火山岩質の土壌となっています。

 

ハンガリーのワイン生産量

 

ハンガリーで作りだされるワインは、輸出が約20%、国内消費が約80%と、主に国内で消費されています。その辺が知名度の低さの所以なのですね。


ぶどうの栽培面積は約74,000haで、フランスのロワール全体(約65,000ha)よりも少し広い面積です。

 

ぶどうの生産量は約35万tで、そこから約260万hlのワインが生み出されます。ワイン全体の内約70%が白ワインとなっており、赤ワインは全体のわずか30%しか作られていません。

 

ハンガリーのワイン法

 

ハンガリーにも、ワイン法があり、22の地域に認定原産地の呼称が制定されています。その22の原産地呼称の筆頭が「トカイ」になります。トカイについては後述します。その他の地域では、バラトン湖周辺地域、エゲル、ヴィッラーニュ 等があります。

 

ハンガリーの主要ブドウ品種

白ワイン用

ハンガリーで栽培されるブドウ品種の中で、最もハンガリーらしい品種はなんといっても「フルミント」です。そして、「イエローマスカット」、 「ハールシュレヴェリュ」この3つのブドウ品種を原料として使うのが、一般的なトカイワインの造り方です

 

 

その他、キラーイレアーニカ、オラスリーズリング、イルシャイ・オリベール、オットネル・ムシュコターイ、スルケバラート、ゼニット、ケークニェルー、リズリング・シルバーニ (ミュラー・トゥルガウ)、リズリングシルバーニ、ズルド・ベルテリニ、チルファンドリ、トラミニ 、ソーヴィニヨン、シャルドネ と、数多くのブドウ品種が使われています。

 

赤ワイン用

 

黒ブドウは白ブドウに比べるとあまり多く栽培はされていませんが、「カダルカ」や「ケークフランコシュ」がハンガリーを代表とする品種です。


ケークフランコシュは、ブラウフレンキッシュの別名です。


また、冷涼な気候を活かしてピノ・ノワールの生産も増えてきており、日本でも目にするようになってきました。その他、ケークオポルトー、ケークフランコシュ、カダルカ、ツバイゲルト、カベルネフラン、カベルネソーヴィニョン と、こちらも数多くのブドウ品種が存在します。

 

ハンガリーの在来種と輸 入種が混在し、独自のワイン文化を形成してきており、それがワインの質の高さと種類 の豊富さであるということがこのブドウ品種の多さから窺い知れます。

 

 

そしてブドウ品種よりも何よりも「貴腐」がハンガリーワインの特徴のキーワードとなります。

貴腐ブドウ・貴腐ワイン

ハンガリーワインを語るには、貴腐ブドウを知る所から始めなければなりません。

腐敗したように見えるブドウですが、干しブドウ状態となっているために腐敗したように見えるだけで、決して腐敗している訳ではありません。

水分が飛び、甘みが凝縮し糖度が高まるのです。そして非常に芳香を帯びます。貴腐化したブドウを「貴腐ブドウ」と呼び、それを用いて造られた極甘口のワインが「貴腐ワイン」です。

 

アスー[Aszú]

ハンガリーでは貴腐ブドウや貴腐ワインをアスー[Aszú]といいます。貴腐ブドウだけで醸造したワインは、まるで蜂蜜のように甘く、ワインとして飲むものではありません。実はアスーはブレンドワインです。ベースになるのは貴腐化しなかったブドウで作ったふつうの白ワインなのです。

 

 

貴腐菌(ボトリティス・ シネレア菌)

貴腐ワインは甘口ワインの最高峰で、貴腐ブドウでつくるワインです。しかし、貴腐ブドウという種類があるわけではありません。貴腐菌(ボトリティス・ シネレア菌)による過熟により、干しブドウ状になることを貴腐化といいます。この貴腐菌はどこでも発生するわけではなく、世界でも数か所のみ、トカイの地理的条件がこの菌を生むのです。

普通この菌は熟成途中のぶどうに付着してぶどうを腐らせてしまいます。ところが限られた地域で、一定の気象条件が整うと貴腐菌から貴腐葡萄が生まれるのです。その条件とは、夏の間晴天の日が多く、9月から収穫するまでの間、朝もやが立ち、午後になると晴れるというものです。

限られた地域でしか造られない非常に希少なワイン、だから高価なものとなるのです。

価値の高い貴腐ブドウですから、すべてのブドウが貴腐化すれば嬉しいのでしょうが、そこは自然相手、天候に左右されます。さらには、ブドウの房の中に、貴腐化した粒と、貴腐化しなかった粒がまざりますので、粒選りをし、別々に醸造します。

結果として、数量的にはふつうの白ワインが圧倒的多数産出されます。この白ワインが貴腐ワインのベースにもなるのです。

 

世界三大貴腐ワイン

 

貴腐ワインで覚えておいてほしいのが、「世界三大貴腐ワイン」です。

最低これだけでも覚えましょう。

世界三大貴腐ワインとは、ハンガリーワインの「トカイ・アスー・エッセンシア」と、フランスの「ソーテルヌ」、ドイツの「トロッケンベーレンアウスレーゼ」の3つです。これをすらっと言えればワイン通です。

 

トカイ・アスー・エッセンシア

「アスー」とは「蜜のような」という意味で、多少なりとも貴腐菌の付いたブドウの粒を選別し、それから造られるワインを指します。選別されたブドウは「プットニョス」と呼ばれる桶で醸造所に運ばれ、いくつの桶の貴腐ブドウを使ったかによって、3プットニョスや6プットニョスなどとワインに明記されます。そして7~8プットニョスに相当する貴腐ブドウを使い、5年以上熟成させたものが「エッセンシア(=エッセンス)」と呼ばれる、ハンガリー貴腐ワインの最高峰です。特筆すべきは、アスー・エッセンシアに含まれる残糖の最低規定が「180g/L」ということ。これは凄いことで、トロッケンベーレンアウスレーゼの場合は「150g/L」、ソーテルヌには規定はありませんが、最高峰のシャトー・ディケムが150g/L前後と言われているので、三大貴腐ワインの中で規定上はエッセンシアが一番甘いことになります。さらに凄いことに、アスー・エッセンシアよりも上位の規定の「ナトゥール・エッセンシア」と呼ばれるものも存在し、これはなんと「250g/L」ですが、なかなかお目にかかることはありません。

 

トカイワイン

 

トカイ(Tokaj)は、ハンガリーを代表するワインです。 その歴史は古く17世紀の中頃に始まり、ハンガリー国歌の歌詞にも歌われている程です。ルイ14世に“王のワイン、ワインの王”と呼ばれたことでも知られています。

 

「VINUM REGNUM REX VINORUM!」(「王のワインにしてワインの王!」)。

そうルイXIV世は最初にトカイ・ワインを味わった時に言ったそうです。

 

 

ワイン産地のトカイ地方はブダペストから東 に200㎞の所にあり、歴史的文化的地域としてユネスコ世界遺産に登録されております。北の山脈が寒気をさえぎり、南から暖気が流れ込むハンガリー東北部の地形が貴腐ぶどうを熟成させ、より繊細で芳醇な風味を作り出します。

トカイワインはすべて白ワイン。栽培を公認されているブドウは現在6種類ですが、その8割をフルミント[Furmint]が占めます。フルミントの辛口も、トカイワインの定番です。

 

トカイワインの製造方法

ブドウ品種のところで説明しましたが、トカイワインには、主に「フルミント」というブドウ品種が使われます。その他のブドウ品種に「ハールシュレヴェルー」「イエローマスカット」があり、一般的にはこの3種類をブレンドして使われます。

 

 

貴腐ブドウをハンガリー語で「アスー」といいますが、手で一粒ずつ収穫されて、その名の通り「トカイ・アスー」としてこの第1級のワインに独特の甘みをも たらします。

 

トカイ・ワインには貴腐ぶどうを選別せずに作るサモロドニ[Szamorodni] というワインもあります。

 

アスーには3~6プットニョシュ[puttonyos]という単位が付いています。

 

これは、粒選り作業で使う背負いかご「プットニ[puttony]」の形容詞で、このかごいっぱいで約20~25kgの貴腐ブドウが収まります。

 

 

ベースになる136リッターの白ワインに、かご(プットニ)何個分の貴腐ブドウが含まれているか。これが 3~6 プットニョシュという単位で表されます。

 

つまり、3かご分の貴腐ブドウを使っていれば、3プットニョシュです。当然、数字が大きい方が甘く、原則として価値も高くなります。

 

ソーテルヌ

 

ソーテルヌ(Sauternes)は、フランスのAOCワインの1つで、ガロンヌ川左岸のコミューンであるソーテルヌとその北に続くボンム、フォルグ、ブレイニャック、バルザックの5つの村で生産されるセミョン種とソーヴィニョン・ブラン種のぶどうで作られる貴腐ワインです。この地区は、朝は霧で湿度が高いため貴腐菌が繁殖しやすく、逆に午後になると乾燥しブドウの水分が蒸発しやすいという、貴腐ワインの生産に極めて向いた地域です。

シャトー・ディケム

ソーテルヌの最高峰「シャトー・ディケム」が世界三大貴腐ワインの一つと言っている方もいるようですが、ソムリエ協会の教本的にはそれは正しくありません。ソーテルヌ全体を貴腐ワインの世界の三大産地として呼称します。

 

トロッケンベーレンアウスレーゼ

 

(Trockenbeerenauslese)は、ドイツワインの最高等級のワインです。

 

貴腐菌が発生するのに最適な天候に恵まれた年にのみ生産されるため、生産量のが少なく稀少です。

濃い金色に耀く甘露な一滴は世界最高のデザートワインといわれています。

 

 

ドイツの甘口ワインの規定は、ワインに含まれる糖度が基準になります。

 

生産される地域やブドウ品種は問いません。

 

貴腐ワインは「ベーレンアウスレーゼ」と「トロッケンベーレンアウスレーゼ」の2つで、「トロッケン~」が最も甘いワインです。

 

規定では甘いワインほどアルコール度数は低くてもよいことになっており、「トロッケンベーレンアウスレーゼ」は「5度以上」ですが、実際は10度以上のものが多いです。

 

「トロッケン(trocken)」は英語で「dry」のことで、え?辛口?と誤解される方がいますが、辛口ワインのことは「Trocken」と言います。

 

 

「トロッケンベーレンアウスレーゼ(Trockenbeerenauslese)」に含まれる”Trocken”は、「dry」の「乾燥した」という意味のほうで、貴腐ブドウの表面が乾燥していることを意味します。

 

世界三大甘口ワインセット

3大甘口ワインの比較試飲ができます!

勉強されるならこちらの方が便利です!

トカイワインの楽しみ方

ハンガリー料理に合わせて楽しくディナー

貴腐ワインは個性の強いワインなので、ハンガリー名物のフォアグラや、青かびチーズと相性が良いです。また、デザートワインとして楽しみます。

デザートに気軽に!

貴腐ワインは高級ワインに分類されます。それでもトカイ・アスーなら、同じく貴腐ワインのフランス産ソーテルヌに比べ、ぐっとお得な価格です。3プット位ならこの価格で買えちゃいます。デザートに気軽にどうぞ!

トカイ3プット

こちらの3プットの味を覚えることが重要です。

普段使いのトカイを代表する味は一般的にはこちらです。

もっともポピュラーであり、トカイのワインの味の標準化といっても過言ではないでしょう。

飲み比べセット

世界三大貴腐ワインがこの価格で飲み比べ出来ちゃいます。

楽しくワイワイ飲み比べ!フォアグラなんかでなくてもいつものお料理でOK!

仲間と楽しく飲み比べ!

世界三大貴腐ワイン飲み比べ3本セット!


最後に極め付きはこちらです。

上記全て網羅されています。

 
ハンガリー・トカイワインの特徴、世界三大貴腐ワインとは? まとめです
 
ハンガリーで作りだされるワインは、輸出が約20%、国内消費が約80%と、主に国内で消費されています。
その辺が知名度の低さの所以です。
 
特徴は、「貴腐ぶどう」を使った「貴腐ワイン」です。
世界三大貴腐ワインのひとつです。
 
世界三大貴腐ワインとは、ハンガリーワインの「トカイ・アスー・エッセンシア」と、フランスの「ソーテルヌ」、ドイツの「トロッケンベーレンアウスレーゼ」の3つです。
 
この3つ、これをすらっと言えればワイン通です。
 
そして、標準化されたもっともポピュラーなトカイ3プットを飲めば完璧です。
あなたはトカイワインを知ったことになるのです。

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